PCのボトルネックとは?
ゲームの1フレームは2段階で作られます。まずCPUがゲームロジック、物理演算、AI、描画命令(ドローコール)を処理し、次にGPU(グラボ)がそのフレームをピクセルとして描画します。2つのパーツは流れ作業でつながっているため、フレームレートは遅い方のパーツを超えられません。この遅い方のパーツがボトルネックです。
ボトルネックチェッカーは、各パーツが単体で出せるフレーム数を推定して比較します。たとえばCPUが毎秒110フレームしか準備できないのに、GPUは180フレーム描画できる場合、GPUは約39%の時間CPUを待っていることになります。その分のGPU性能は無駄になり、この割合がこのツールで表示される「ボトルネック率」です。
要点:どちらかが必ず遅いので、ボトルネックは常に存在します。大事なのはどちらのパーツがどれだけ足を引っ張っているか、そしてモニターに対してFPSが十分かどうかです。4KでのGPUボトルネックは正常で健全な状態です。1080pで大きなCPUボトルネックが出ているなら、使い切れないGPU性能にお金を払っていることになります。
ボトルネックチェッカーの使い方
- CPUとグラボを選びます。「5600」「14600K」「5070 Ti」のように型番を入力し始めてください。ノートPC向けチップや内蔵GPUも収録しています。
- 解像度と画質を選びます。GPU負荷を最も大きく左右する項目です。モニターの最大解像度ではなく、実際にプレイする解像度を選んでください。
- プレイするゲームの種類を選びます。eスポーツタイトル、シミュレーター、レイトレーシング対応ゲームでは、CPUとGPUへの負荷のかかり方がまったく違います。
- アップスケーリング、リフレッシュレート、メモリを設定します。DLSS/FSRはGPU負荷を下げ、リフレッシュレートは実際に表示できるフレーム数の目安になります。メモリ8GBはそれだけでカクつきの原因になります。
- 判定とおすすめを確認します。解像度別の表、ゲームタイプ別の表、アップグレード候補をチェックしましょう。結果のリンクをコピーすれば、XやDiscordで構成を共有できます。
ボトルネックとFPSの計算方法
多くのボトルネック計算サイトは、PassMarkやCinebenchのような合成ベンチマークのスコアを比べています。これらはゲーム性能ではなくマルチコアのレンダリング性能を測るものなので、16コアのワークステーション向けCPUを、8コアのゲーミング向けX3D CPUよりはるかに上に評価してしまいます。ゲームではむしろ逆です。このツールはゲームに特化した性能指数を使っています。
1. CPUのフレームレート上限
各CPUには、公開されているCPU律速ベンチマーク(1080p、最速GPU、最近のタイトル)の平均値で較正したゲーミング指数があり、Ryzen 7 9800X3Dを100としています。この指数をフレームレートの上限に換算し、ゲームタイプ、画質、メモリ容量、配信負荷に応じて補正します。CPUは1080pでも4Kでも1フレームあたりの仕事量がほぼ同じなので、CPUの上限は解像度に左右されません。
2. GPUのフレームレート上限
各GPUには、GPU律速ベンチマークの平均値で較正したラスタライズ性能指数(RTX 4090 = 100)があります。これを実測に基づく曲線(ピクセル数の−0.62乗。単純な比例ではありません)で解像度に合わせて補正し、さらに画質、アップスケーリング、レイトレーシング効率(NVIDIA・AMD・Intelでアーキテクチャごとに異なります)と、設定に必要なVRAMがグラボの搭載量を超えた場合のペナルティを適用します。
3. 2つの上限の組み合わせ方
ソフト最小値は実際の挙動を反映したものです。両方のパーツが上限に近いとフレームペーシングが乱れ、結果はどちらの上限よりも少し低くなります。1% Lowは律速しているパーツから推定します。CPU律速のゲームは1% Lowが悪化しやすく、3D V-Cacheを積んだX3Dチップは良好です。
精度について:多数のゲームの平均で見ると、推定値は実際のベンチマークとおおむね10〜15%以内に収まります。ゲームエンジンのクセ、ドライバーのバージョン、パッチ、冷却、電力制限、メモリ速度、バックグラウンドアプリの影響で、個別のゲームではそれ以上ずれることもあります。特定のゲームの正確なFPSではなく、バランスやアップグレードの判断材料として使ってください。
ボトルネック率は何%までなら許容範囲?
当サイトでは以下の基準を共通で使っています。計算ツール、この表、よくある質問はすべて同じ数値です。
| ボトルネック率 | CPUが律速の場合 | GPUが律速の場合 |
|---|---|---|
| 0〜10% | 非常に良いバランス | 非常に良いバランス |
| 10〜20% | 軽度。ほとんど体感できない | バランス良好。ゲーミングでは理想的な状態 |
| 20〜35% | 中程度。1% Lowが下がり、GPUが一部遊んでいる | GPU律速。将来より強いGPUにしてもCPUが対応できる |
| 35%以上 | 深刻。GPUより先にCPUを交換 | 強いGPU律速。FPSが足りていれば問題なし、足りなければGPUを交換 |
2つの列の扱いが違う点に注目してください。GPUボトルネックは、グラボがフル稼働しているという意味でしかなく、まさにお金を払った分の性能を引き出せている状態です。一方、CPUボトルネックはフレームタイムの乱れ、重い場面でのカクつき、GPUの遊びを引き起こします。
CPUボトルネックとGPUボトルネック、悪いのはどっち?
ゲームにとってはCPUボトルネックの方が悪い状態です。CPUが律速していると、爆発や群衆、物理演算が起きるたびにフレームタイムが跳ね上がり、平均FPSが十分に見えても1% Lowが落ちてカクカクした感触になります。GPUが原因ではないので、画質を下げてもほとんど改善しません。
GPUボトルネックは正常で、むしろ望ましい状態です。フレームは安定して届き、影の品質を下げる、DLSSやFSRを有効にする、解像度を下げるといった設定でパフォーマンスをコントロールできます。うまく組まれたゲーミングPCの多くは、目標の解像度でわずかにGPU律速になっています。
CPUがボトルネックになっているサイン
- FPSが物足りないのに、ゲーム中のGPU使用率が95%を大きく下回っている。
- 解像度や画質を下げてもFPSが上がらない。
- 街中、大規模な戦闘、プレイヤーが多い場面などでカクつく。
- CPU全体の使用率はそこそこなのに、1〜2スレッドだけが100%近くに張り付いている。
解像度でボトルネックが変わる理由
CPUの1フレームあたりの仕事量は、解像度が変わってもほとんど同じです。一方GPUの仕事量はピクセルが増えるほど増え、4Kは1080pの4倍のピクセル数があります。そのため解像度を上げるとGPU側のフレームレートは下がり、CPUの上限はそのまま。ボトルネックはCPUからGPUへと移っていきます。
以下は、このツールで計算したRyzen 5 3600とRTX 4070 Superの組み合わせ(画質「高」)です。
| 解像度 | CPU上限 | GPU上限 | 平均FPS | ボトルネック |
|---|---|---|---|---|
| 1080p (1920×1080) | 80 | 138 | 80 | CPU 42% |
| 1440p (2560×1440) | 80 | 96 | 78 | CPU 17% |
| ウルトラワイド 1440p (3440×1440) | 80 | 80 | 74 | バランス良好 |
| 4K (3840×2160) | 80 | 58 | 58 | GPU 27% |
同じGPUでも、1080pでは大きく足を引っ張られ、1440pではほぼバランスが取れ、4Kでは性能を使い切っています。だからこそ「ボトルネックになる?」という質問は、解像度とセットでなければ意味がありません。内部解像度を下げて描画するアップスケーリングが、CPUボトルネックを悪化させることがあるのも同じ理由です。
GPU別おすすめCPU(ボトルネックが出ない最低ライン)
画質「高」のAAAタイトルで、各グラボのボトルネック率を10%未満に抑えられる最も手頃な人気CPUをまとめました。これより速いCPUならどれでも問題ありません。「Ryzen 5 3600+」は、最近の6コアCPUなら何でも十分という意味です。上の計算ツールと同じデータで算出しています。
| グラフィックボード | 1080p | 1440p | 4K |
|---|---|---|---|
| RTX 5090 | Ryzen 7 9800X3D (それでもCPU律速) | Ryzen 7 9800X3D | Core i5-12400F |
| RTX 5080 | Ryzen 7 9800X3D | Ryzen 7 5700X3D | Ryzen 5 3600+ |
| RTX 5070 Ti | Ryzen 7 7800X3D | Core i5-12400F | Ryzen 5 3600+ |
| RX 9070 XT | Ryzen 7 7800X3D | Core i5-12400F | Ryzen 5 3600+ |
| RTX 5070 | Ryzen 7 5700X3D | Ryzen 5 5600 | Ryzen 5 3600+ |
| RX 9070 | Ryzen 7 7700X | Ryzen 5 5600 | Ryzen 5 3600+ |
| RTX 4070 Super | Core i5-13400F | Core i5-10400F | Ryzen 5 3600+ |
| RX 7800 XT | Core i5-12400F | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ |
| RTX 5060 Ti 16GB | Ryzen 5 5600 | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ |
| RX 9060 XT 16GB | Ryzen 5 5600 | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ |
| RTX 5060 | Core i5-10400F | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ |
| RTX 4060 | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ |
| Arc B580 | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ |
| RTX 3060 12GB | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ | Ryzen 5 3600+ |
240Hz以上でeスポーツタイトルを遊ぶなら、表よりも速いCPUを選びましょう。低画質の競技系ゲームでは負荷のほとんどがCPUに移るため、Ryzen 7 7800X3Dや9800X3DのようなX3Dチップが真価を発揮します。
人気のCPU+グラボの組み合わせ
よく質問される構成のリアルタイム計算結果です。カードをクリックすると計算ツールに読み込まれ、設定を変えて試せます。
人気のCPU+GPU構成をすべて見る(英語)では、1080p・1440p・4Kのボトルネック率とFPSを計算済みで確認できます。
ボトルネックの解消方法
CPUボトルネックの場合
- 解像度や画質を上げる。GPUに余裕があるならほぼノーコストで、ほとんど同じFPSのまま見た目が良くなります。
- XMP/EXPOを有効にし、メモリをデュアルチャネルで使う。メモリ1枚挿しや、定格の2133/4800 MT/sのままだと、CPU律速時の性能が10〜25%落ちることがあります。
- まずは同じソケット内でアップグレードする。AM4ならRyzen 7 5700X3Dや5800X3Dが、マザーボードを替えずに済む最も安上がりな大幅強化になることが多いです。
- バックグラウンドアプリを閉じ、配信にはハードウェアエンコード(NVENC、AMF、Quick Sync)を使う。
- フレーム生成を使う(DLSS 3/4 フレーム生成、FSR 3/4)。CPU律速でも体感の滑らかさが上がります。「本物の」フレームが増えるわけではありませんが、シングルプレイのゲームでは有効です。
- 冷却を確認する。95〜100℃に達したCPUはクロックが下がり、本来ならないはずのボトルネックになります。
GPUボトルネックの場合
- DLSS、FSR、XeSSをクオリティモードで有効にする。見た目の劣化はわずかで、通常30〜50%FPSが伸びます。
- 重い設定から下げる:レイトレーシング、影、ボリュメトリックフォグ、スクリーンスペースリフレクションの順に。
- VRAMが足りないならテクスチャ品質を下げる。8GBのグラボで起きるカクつきやぼやけたテクスチャは、VRAMのボトルネックです。
- グラフィックドライバーを更新し、モニターのケーブルがマザーボードではなくグラボに挿さっているか確認する。
- グラボを買い替える。上のアップグレード候補に、新たなCPUボトルネックを生まずにあなたのCPUと釣り合うモデルが表示されます。
自分のPCでボトルネックを確認する方法
計算ツールで得られるのはあくまで予測です。実際のゲームで確かめるには、無料のパフォーマンスオーバーレイを使いましょう。
- MSI AfterburnerとRivaTuner Statistics Serverを入れるか、NVIDIA AppやAMD Adrenalinのオーバーレイを使います。
- GPU使用率、スレッドごとのCPU使用率、FPS、フレームタイムを画面に表示させます。
- 垂直同期とFPS制限をオフにして、ゲームで最も重い場面を数分プレイします。
- GPU使用率が95〜99%ならGPU律速で、健全な状態です。FPSが目標に届かないのにGPU使用率が90%を明らかに下回るなら、CPU(またはメモリ)がボトルネックです。
- 解像度を下げて再確認します。FPSが上がらなければCPU律速です。
Windowsのタスクマネージャーはこの判定には向きません。CPU使用率の合計は全コアの平均なので、16スレッドのCPUで2スレッドを使い切っているゲームでも「CPU使用率25%」としか表示されず、実際には完全にCPU律速ということがあります。
プラットフォーム別・おすすめのゲーミングCPUアップグレード
今のマザーボードのままCPUを交換するのが、CPUボトルネックを解消する最も安い方法です。CPUを載せ替える前にBIOSを更新しておきましょう。
| ソケット | ゲーム最強 | コスパ重視 | メモ |
|---|---|---|---|
| AM4 | Ryzen 7 5800X3D / 5700X3D | Ryzen 5 5600 / 5600X | AM4でゲームに最適なのはX3Dモデルです。5600G/5700Gはキャッシュが半分でPCIe 3.0のため、高性能なグラボとの組み合わせは避けましょう。 |
| AM5 | Ryzen 7 9850X3D / 9800X3D | Ryzen 5 7600 / 9600X | 7800X3Dも依然としてコスパに優れます。AMDはAM5を今後のCPUでもサポートすると表明しています。 |
| LGA1700 | Core i7-14700K / i9-14900K | Core i5-13400F / i5-14600K | アップグレード前に、Intelの第13/14世代向け安定性マイクロコードを含む最新BIOSを入れてください。 |
| LGA1851 | Core Ultra 9 285K | Core Ultra 5 245K | クリエイティブ用途に強い一方、ゲーム性能は第14世代と同程度なので、高速なDDR5が効きます。 |
| LGA1200 | Core i9-11900K / i9-10900K | Core i5-11400F | 今後の発展がないプラットフォームです。RTX 4060クラスまでなら問題ありませんが、より速いグラボにはプラットフォームごとの刷新を検討しましょう。 |
よくある質問
ボトルネック率は何%なら良いですか?
10%未満なら非常に良いバランス、10〜20%ならゲーム用途で問題ありません。20〜35%になるとCPUボトルネックが1% Lowに表れ始め、35%を超えるとGPU性能の大部分を無駄にしています。律速しているのがGPUなら、FPSが目標に届いている限り、もっと高い数値でも問題ありません。
ボトルネックチェッカーの精度はどれくらいですか?
良いツールなら、バランスの判断やおおよそのFPSを知るには十分な精度で、ベンチマーク平均との差は通常10〜15%程度です。ゲームエンジン、パッチ、ドライバー、冷却、メモリ速度、バックグラウンドのソフトで結果が変わるため、特定のゲームを正確に予測できる計算ツールはありません。PassMarkのような合成スコアに基づくツールは、ゲームのベンチマークに基づくツールに比べて、ゲーム用途での信頼性がずっと低くなります。
CPUボトルネックとGPUボトルネック、どちらの方がマシですか?
GPUボトルネックです。GPU律速のゲームはフレームタイムが滑らかで安定しており、設定やアップスケーリングでFPSを上げられます。CPU律速のゲームは1% Lowが悪くカクつきやすいうえ、設定を下げても改善しません。
解像度を上げるとCPUボトルネックは減りますか?
減ります。解像度を上げるとGPUの仕事は増えますが、CPUの仕事はほとんど変わらないため、GPUが律速するようになります。強力なグラボと古いCPUの組み合わせなら、1080pから1440pに上げるのが最も簡単な解決策になることが多いです。平均FPSは上がりませんが、ほぼノーコストで画質が良くなります。
DLSSやFSRでCPUボトルネックは解消できますか?
できません。アップスケーリングは低い内部解像度で描画するため、GPUの仕事が減ってかえってCPUボトルネックが強まります。フレーム生成は別物で、CPUを介さずに生成フレームを挿入するため、CPU律速でも体感の滑らかさを改善できます。ただし入力遅延はわずかに増えます。
メモリ(RAM)がボトルネックになることはありますか?
あります。最近のゲームに8GBは少なすぎ、カクつきの原因になります。1枚挿し(シングルチャネル)やXMP/EXPOの設定忘れでも、CPU律速時の性能が10〜25%落ちることがあります。2026年のゲーミングなら、DDR5 32GBのデュアルチャネル(またはDDR4-3600の16〜32GB)がおすすめです。
ボトルネックでPCが壊れることはありますか?
ありません。ボトルネックは性能の釣り合いの問題で、故障ではありません。どちらのパーツにも設計を超えた負荷はかかっていません。失うのは、お金を払ったのに使い切れていない性能だけです。
ボトルネック0%は実現できますか?
現実的には無理です。どのフレームでも片方のパーツがもう片方より遅れて処理を終え、バランスはゲームごと、さらにはシーンごとに変わります。10%未満なら、現実的に望める最高レベルの組み合わせです。
ノートPCにも使えますか?
使えます。人気のノートPC向けCPU・GPUを収録しており、「ノート」と表示されます。ノートPC向けGPUは電力制限(TGP)や冷却によって性能が大きく変わるため、薄型軽量モデルでは推定値より10〜25%低くなることがあります。
ボトルネック計算サイトによって結果が違うのはなぜですか?
使っているデータと計算式が違うからです。多くのサイトは、ゲーム性能を反映しない合成CPUスコアを比較していたり、解像度を考慮していなかったり、GPUボトルネックを問題として扱っていたりします。このツールはゲームに特化した指数を使い、解像度、画質、アップスケーリング、VRAM、ゲームタイプをモデル化したうえで、計算式もすべて上で公開しています。
データ更新履歴
2026年10月:Ryzen 7 9850X3D、RTX 5050、RX 9060 XT、Arc B570を追加しました。最新ドライバーの結果でGPU指数を再較正し、ノートPC向けGPU・内蔵GPU、レイトレーシング効率モデル、VRAMペナルティを追加しました。
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